日本の就活【新卒一括採用】がどうも変だと思う5つの理由。

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日本の就職活動のシステム【新卒一括採用】について改めて考えてみよう。
日本の就職活動の根底にある、【新卒一括採用】。当たり前のシステムなだけに、この言葉にそこまで耳馴染みもない人がいるかもしれないですね。今回は日本の就職システムを改めて紐解き、本質は何なのか考えてみましょう。

新卒一括採用(しんそついっかつさいよう)は、企業が卒業予定の学生(新卒者)を対象に年度毎に一括して求人し、在学中に採用試験を行って内定を出し、卒業後すぐに勤務させるという世界に類を見ない日本独特の雇用慣行である。


https://ja.wikipedia.org/wiki/新卒一括採用より

上記はwikipediaからの一部抜粋なのですが、注目したいのは『世界でも類をみない日本独特の雇用慣行』という表現です。日本の大学生は、就職活動の【時期】が決められていて、その【時期】が来ると企業が採用情報を開示し、大学生が企業に応募をしていくというシステムです。そんなことは、常識ですしわざわざこの記事を読まなくてもわかることなのですが、果たしてこのシステムは仕事に就くための本質に沿ったものなのでしょうか。私は、結論として、日本の採用システム【新卒一括採用】っておかしいと考えています。その根拠は5つほどあります。

1、世界的に見てもおかしい
2、自分も経験しておかしい
3、システムもブレブレでおかしい
4、数字で見てもおかしい
5、著名人曰く、おかしい

1、世界的に見てもおかしい


まずは、世界の(大学生の)採用システムを参考にしてみましょう。
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■アメリカ
アメリカの採用基準は非常に高く、非常に即戦力を求められます。
アメリカの大学生は、日本に比べてみてもかなり勉強をしています。そして、はっきりと「学歴重視」とも言えます。ハーバード大学や、イェール、オックスフォード大学などの出身者は圧倒的に有利とも言えます。ただそれはもちろん、大学でハードに勉強してるから優秀である、と判断できるからなのです。最近、日本でも取り入れられているGPAも大きな判断材料になります。GPAは(A:4ポイントB:3ポイントC:2ポイントD:1ポイントF:0ポイント)で科目ごとに評価し、全科目の平均値を出すものです。新卒採用で、『3.5ポイントなければ応募できない』といった条件はメジャーな基準になっています。
日本でよく言う『大学で勉強は正直そこまでしていませんでした』などという学生は、アメリカだと通用しませんし、GDPが1.55だった私も、アメリカに行ったら露頭に迷っていたかもしれません。
勉強で忙しいアメリカの学生は、就職活動の【時期】などに時間をかけている場合ではありません。そのために、長期休暇などを利用して「インターンシップ」をするのです。学生の間に、職歴を作り、卒業後にも即戦力となれるように主体的に行動するのが一般的なのである。実力社会のアメリカは、すぐに即戦力を求められるだけにわかりやすい採用基準があると言えるでしょう。

■ヨーロッパ
ヨーロッパでも、ある意味実力主義的な部分が多いです。新卒としての採用という概念もないので、就職浪人という考え方もないのです。逆に、新卒として職に就けないことがハンデになることもないのです。また、ヨーロッパでは、大学での専攻を生かせる職種を選び、入社後も同じ職種で働いていき、転職しても同じ職種につくのが基本的なのです。

■韓国
韓国でも一部を除いて新卒採用枠というものもなく、新卒も中途も同じ基準で採用される、いわゆる即戦力型重視の採用活動を行っています。新入社員募集時に年齢差別禁止が義務付けられている。

一部ですが、世界の就職活動を見ると、正直日本に比べて厳しい採用基準があり、実力・スキル重視であると言えますね。日本のように、終身雇用が前提で、新入社員を研修制度でじっくり育て行くというやり方がいかに日本独特であるかがわかりやすいかと思います。
ただ、学生のころからスキルや実力を求められ、そのために一生懸命勉強し、インターンシップで経験を積むのが当たり前だとすると、どうも日本より海外の学生の方が優秀なんじゃないかと思ってしまいます。グローバル化が進む今、日本でじっくり研修を受けている新入社員は海外の優秀な学生に仕事を取られてしまわないでしょうか。

やっぱり日本の就活はおかしい。

2、自分で経験してみてもおかしい。


私自身も、2015年卒として就職活動をしていて、本当に疑問に思うことが多々ありました。みんなで同じ髪型、同じ服装をして、大手の企業に内定をもらったESを借り、面接テクニックやSPIの勉強をする。なんの意味があるのかが正直今でも不思議です。そんな就職活動の不思議さが良く分かる、有名な動画をここでは紹介いたします。


始めてみたときの衝撃と、当時就職活動をしていた私に非常に響いた動画でした。
「就活狂想曲」について、作者の吉田さんはYouTubeの説明文にこう記しています。

「ごく普通の大学生として何となく過ごしてきた主人公。ところが近頃友人たちの様子がおかしい。聞けば、彼らは噂(うわさ)の“就活“に躍起になっているらしい。それが一体どのようなものなのか見極められぬまま、主人公もまた『ニッポン式就活』の渦中へと引きずり込まれて行く」

非常にリアルに描かれていると、就職活動をしている当時感じていました。190万回近くの再生数を誇る、この動画は、ぜひ見ておいてほしいです。記事を書きながら私も思います。
やっぱり日本の就活はおかしい。

3、システムもブレブレでおかしい


日本の就職活動の在り方は、国の指針や、大手企業1329社からなる経団連の支持によってやり方を決められています。最近問題になっているのは就職活動の時期変更に関してですね。

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2016年卒に突如、8月からの選考開始と大幅にずらし、学生、大学、企業を混乱させた挙句、2017年卒に関しては、やっぱり6月選考解禁にするという朝令暮改な動きに多くの批判が寄せれられています。何人かの人事担当者に話を聞きましたが、『今年の新卒採用は本当に大変で、学生も例年に比べ疲弊しているのが良く分かる』という声をよく聞きました。今年の2017年卒採用の結果、世の中がどんな意見をだすかによって2018年卒の学生はどんな就職活動になっているか見当もつかない状況なのです。また、このブレブレながらに決めたルールに対して、遵守するという企業が少なくなっているというのが現状です。新卒採用者の為のナビサイト、新卒ウォッチによれば、企業の73%が6月解禁のルールは守れないと答えているのです。

選考解禁が6月になった場合、経団連の方針を遵守しますか?
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出典:https://shinsotsu-watch.com/research/1511/


ルールがコロコロ変わる上に、そのルールを守る企業も少ないこの状況。
やっぱり日本の就活はおかしい。

4、数字で見てもおかしい


就職活動にのぞむ前に、一つだけ知っておいてほしい数字があります。

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これは、【新規大卒者の早期離職率】の平均値です。つまりは、大学を卒業してから3年以内にその会社を離職してしまう割合を表したものです。私は、この数字結構高いなと感じています。3人に1人は、頑張って就職活動をしても、その会社を3年以内に離職してしまうのです。もちろん、そのなかで、企業をするから、ステップアップのためにとポジティブな理由での離職なら良いのかもしれませんが、実際にはそうでないのが現状です。今、就職活動をしている方で、3年以内にやめるつもりで選考に臨んでいる学生はいないでしょう。しかしながら、現実として、3人に1人には、悲しい未来が待っているのです。
やぱり日本の就活はおかしい。

5、著名人曰く、おかしい。


『もしかしたら、今の日本の就職活動がおかしいと考えてるのは、私だけなのかもしれない。』そう思っていましたが、実際に、著名人がどのようにとらえているかも参考程度に知っておくべきなのかもしれません。経団連の示すルールがコロコロ変わり始め出してからというもの、有名人も現代の就職活動を大きく批判し出しています。その一例をご紹介したいと思います。

「俺は、新卒採用なんかさっさとぶっこわしたいんですよ。あれ、本当何なんですか?みんな新卒で就職しないとドロップアウトしちゃうって思ってる訳ですよ。でも本当は人生にレールなんかないんですよ、あるって思ってるのがおかしいんですよ。みんなが向こうの方向に向かってるからあっちがレールなのかなって思って、ただそれに付き従って歩いてるだけじゃないですか」


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実業家・堀江貴文

参考記事http://www.huffingtonpost.jp/2013/12/17/2020-working-event-report_n_4457291.html


ホリエモンこと堀江貴文さんは、以前より就活廃止論を提唱しています。東大生の当時、せっかく頑張って勉強して東大に入った頭のいいはずの東大生が、また一から他の大学生と同じように就活することに疑問を感じ、就活をせずそのまま起業の道を進みました。日本の就活はおかしいですよね。

結局さ、リクルートスーツって、日本の「新卒一括採用」という哲学を目に見えるかたちで表しているんだよね。だって、あのスーツを着てそれらしいのは、特定の年齢の人だけじゃん。年齢や「新卒見込み」で差別している、という構造のわかりやすい表現だよね。


オレ、就活生が、同じリクルートスーツで、次々とビルの中に消えていく様子を見ていると、思わず、その場で、「君たちはそんなことでいいのかっ!」と演説を始める衝動にいつもかられるんだけど、それやったら、かなりイタイおじさんだよね。


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脳科学者・茂木健一郎
https://twitter.com/kenichiromogi

脳科学者の茂木さんは、アハ体験で脳が活性化される、脳科学の研究で有名。テレビにもよく出演されています。テレビでみる雰囲気とは裏腹に、痛烈な批判を浴びせることもあり、現代の就職活動においては黙っていられなかったというところでしょう。

もちろん、有名人が批判しているからそれがすべて正しい訳ではありませんが、事実、彼らの意見としても、今の日本の就活はおかしいのです。

結論


じゃあ就職活動生はどうしたらいいんだって話ですよね。周りの大人が、おかしいおかしい言っていて、経団連は右往左往、企業はいつの間にか選考を始めてしまうし、なんだか内定が出なければ、レールを外れた気がしてしまうし、ニートやフリーターには、なりたくないし、働くのであれば、非正規労働者じゃなくて正社員として活躍していきたいし、あーもう就活なんて・・・・

就職活動を進むと、このような考え方に行きつく人も多いのではないかと思います。ただ、たまたま内定が出たを企業に入るのも違いますが、では自分が本当にやりたい事など、実際は20代そこそこではわからないのではないでしょうか。とりあえずで入社をしてみた先に、離職率が32.4%という現実もあります。
自分にあった企業をどのように判断していけばよいのか。この答えとして、インターンナビは、インターンによる選考が一つの答えなのではないかと考えています。そこがどんな会社で、どんな仕事をして、どんな人が働いているのか。体系化された面接だけではわからない企業の本質を見ることができるのがインターンなのです。また、企業に対して、自分には何ができるのか、できないなりにどのように仕事に対して向き合っていけるのか、面接テクニックではなく自分自身も、企業側にしっかりと見てもらう必要があると思います。


本コラムの執筆者

taka

1993年新潟生まれ、大学を期に東京に上京。
2016年3月に明海大学を卒業。
学生時代に不動産、IT系ベンチャー、商社など4社の内定を獲得。
そんな中、株式会社ユナイテッドウィルのインターンシップ選考に参加。
入社前から実力主義の中で成長を夢見ていて、日々苦悩している。1月からインターンシップとしてインターンナビ事業を受け持ち、4月に入社。

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