人事の方から学生に求める人材として「成長意欲のある学生」がよく挙げられています。また、学生が企業選びの際に志望理由として「今よりもっと成長したいから」はよく使われていると思います。就職活動において「成長」という言葉は企業側からも学生側からも多く使われており、就活キーワードになるのではないのでしょうか。私自身就職活動を始める時、「成長」という言葉はなんだかとても曖昧だなと感じておりました。みなさんは「成長」という言葉が具体的にどういうことを意味するのか理解しているでしょうか?また、「成長」という言葉を使わずに意味を説明できるでしょうか?
間違った「成長」
面接官に志望動機を質問され、「御社で成長したい!」と答えてしまう。もしかすると、就活生の最も多い割合を占めるかもしれないですね。
「成長すること」=「いいこと」
という前提を暗黙のうちに仮定してしまっていてそこで思考停止しているのです。「成長したい」と答えるのは悪いことではありませんが、
成長はあくまで過程・手段であって、目的ではないのです。
成長の定義
それでは「成長」とはどういうことなのでしょうか。
辞書で「成長」と引くと
【成長】(1)育って大きくなること。育って成熟すること。
※『広辞苑』からの抜粋引用
と書かれています。
確かに意味は合っていますが、就職活動で使われる「成長」は少しばかり意味が違ってきます。
就職活動上の「成長」とは以下のように定義されるべきだと思います。
【成長】(1) 痛みや負荷、苦労を伴い
自分の将来なりたい姿ややりたいことに近づくこと。
また、そこから得られる収穫物。
この定義の「痛みや負荷、苦労を伴い」の部分がとても重要になってきます。「成長」とは、自動的でなおかつ簡単になせることではないのです。厳しい状況に身を置いたり、挫折を味わったりして、それを克服した時にはじめて成長することができます。
しかし、「成長」には「目的」が必要不可欠になってきます。将来何をしたいかということやビジョンが定まっていなければ成長という言葉は規定することはできません。本当に「成長」したいならば、そのゴールとなる「目的」がなければなりません。
決して「成長」=「ゴール」ではありません。「成長」した先に何を求めているかを明確にしなければならないのです。
たとえば、将来私は○○の分野で起業をしたい。なぜかというと、☆☆だからである。しかし、それには△△や▽▽が必要になってくると思う。しかし、今の私にはそれらのスキルは乏しい。だから、この企業に就職し、知見を得て、さらに□□をして独立したい。
つまり「目的」が明確なら、「成長」という言葉を使わずとしても、自ずと「自分にとっての成長」を説明することが出来るようになるでしょう。
みなさんは
「好きなこと」「将来やりたいこと」が明確になっていますか。
そして、それを達成したい理由が明確になっていますか。