働き方が変わる?【ベーシックインカム】とは



『ベーシック・インカム』この言葉を知っているでしょうか?

ここ数年の間に、よく聞くこの『ベーシック・インカム』というワード。これは、一つの社会制度であり、考え方・思想であるともいわれています。自分のキャリアについて最も悩む時期の就職活動生にとって、この『ベーシック・インカム』は知っておくべきワードなのではないでしょうか。

■注目されたきっかけ


フィンランドのシピラ首相は、2015年夏頃から各種社会政策の見直しを宣言しました。その中の一つとしてあげられた、『ベーシック・インカム』が話題となっています。調査は2015年に始まり、2016年の末までに実験モデルを精査する。17年から実験的に導入し、19年に結果を評価するということのようです。今まで、『ベーシック・インカム』の考え方は長きにわたり議論はされてきましたが、実際に導入するとすれば、国家レベルでは世界初となります。

またオランダのユトレヒトという都市では実際に『ベーシック・インカム』を実験的に導入するという発表もありました。この実験は、300人という限定された規模にはなりますが、その効果は非常に注目されています。

■そもそも『ベーシック・インカム』とは何なのか?


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ベーシック・インカムとは、最低生活保障制度などと訳される非常に大胆な社会保障制度の改革案です。政府がすべての個人に最低の生活水準を実現するために、一定の金額を支給する制度のことです。大きな特徴として、年齢や所得制限を設けず、無条件で全員に支給するのが特徴です。今回のオランダでの実験では、日本円で、12万円(妻帯者には18万円)を月々支給していくようです。

■メリット


ベーシック・インカムが実際に導入されるとどのようなことがメリットがあるのでしょうか。

働かなくても生きていける。


所得制限も年齢制限もなく、生まれてから死ぬまでのすべての人々に毎月12万円を支給されるのです。働いていなくても生きていく最低のお金は手に入るのです。なんらかの理由で働くことができなくても、最低限の生活を国が保証してくれるのです。

少子高齢化対策になる。


子供1人育てるのに教育費だけでも1000万~2500万円かかると言われています。子供が欲しいと思っていても、金銭的な理由で出産に踏み切れない家庭もあるでしょう。ベーシック・インカムが適用されれば、生まれた子にも毎月12万程度の支給がされます。年間で144万、20歳になるまでに2880万円の支給になるのです。これならば金銭的な不安もある程度解消されそうですね。
また、妻帯者にはより多くの支給(オランダでの検証では18万円)がされる可能性があります。結婚する人が増えればより少子高齢化の歯止めになることが期待できます。

ブラック企業が減る。


生きていくためのお金は国から保証されている為、いやいや働かなければならない、という事情はなくなるので、人は仕事を見直すことができます。仕事をする理由は、人生をより豊かにするためになります。必然的に、労働条件の悪いブラック企業は社員を確保できなくなり、倒産していきます。

きつい仕事の賃金が上がる。


いわゆる、3K(きつい・汚い・危険)労働は、この世に必ず必要な職業ですが、若年労働者には敬遠されがちです。具体的には、警察官や看護師、清掃業界、介護業界、建設業界、ゴミ清掃業界などがあげられます。警察官がいなければ、町の安全は守られませんし、ごみ処理をする人がいなければ待ちはあっという間に荒んで生きいます。
そのような仕事は、ベーシック・インカムが導入されるとより人員の確保が難しくなります。その為、3K業界で仕事をしてもらうには賃金をあげるしかないのです。

チャレンジしやすい環境になる


就職活動においては、安定を求め、公務員や大企業に就職したい方が多くを占めます。お金が稼げないと生活が不安定になるからでしょうか。しかし、ベーシック・インカムの導入によって、生活は一定水準を保証されています。もし仮に失敗しても、生きてはいける、生活には困らないという状況の中では起業してみたり、ベンチャー企業で働いてみたりと、チャレンジしやすい社会になると考えられます。

支給するのが楽


年金や生活保護には、年齢の管理や、審査をしなければならず管理のコストは莫大です。ベーシック・インカムが導入されると、年金制度も生活保護制度も不要になるのです。すべての人に一元化して支給すれば良い訳ですから、管理コストはかなり節約することができます。公務員の方は、仕事が減っていくかもしれません。

以上、ベーシック・インカムのメリットでした。これだけのメリットがありながら、実現していないのは、財源の確保ができていないからです。国民全員に支給するお金どこから出すのかという問題があります。一説によると、相続税を100%にする、死後の財産は国に返すことができれば、財源は確保できると言われています。国民全員で、遺産相続を我慢することで夢のような社会になるのかもしれません。

■とはいえ日本で実現することってあるの?


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海外で取り上げられていたので、まるでユートピアの世界の話のように聞こえるかもしれませんが実際に日本でも実現化に向けた動きがあります。事実、2009年に民主党がマニフェストとして掲げた『子ども手当』がその1つです。年齢制限こそあったものの、所得制限のない、ばらまき型の制度でした。また2012年にも、橋下徹氏を代表とする日本維新の会が、「ベーシック・インカム的な考えの導入」を公約しているのです。

もちろん、先程に上げたメリットも実際に導入された場合には当てはまるかとどうかも不確かです。導入することで、不景気になったり、リストラが増えることも想定されています。結果的に、日本の財政状況がこれ以上悪化すれば、海外に逃げてしまう人も出てくるでしょう。実現することは不可能とも言われているベーシック・インカムですが、もしそれが実現したら、すべての国民の働き方が変わることは、間違いありません。

これから社会人として働く方には、『ベーシック・インカム』という制度・思想について知り、自分なりに考えをもつことが大切なのだと思います。

本コラムの執筆者

yoshi

1993年千葉県生まれ、千葉県育ち。
2016年東京経済大学を卒業予定。
学生時代は学園祭実行委員会に所属し、資金調達、企画立案から組織形成の仕事を経験する。
趣味は筋トレであり、日々己をいじめ精神力を鍛えている。
株式会社ユナイテッドウィルのインターン選考を経て、2016年に入社。

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